可愛い!(>∀<)ノキャー
・・・なんて言ってる場合ではありません!!
網走では住宅地等でも良くキタキツネを見かけることがあります。
山の多い地域ですので居ること自体は別に問題ではありません。
彼らも必死に生きています。
問題は、彼らが運ぶ「エキノコックス」と言う病気です。
エキノコックスとは、自然界ではキツネとネズミの間でライフサイクルを完結させている寄生虫です。
この、キツネ⇔ネズミの場合、特に問題は起きません。
厄介なのは、キツネの糞の中に虫卵があり、人間に感染すると言う事です。
人間に感染すると、10年間とも言われる長いスパンでゆっくり肝臓に障害を与え、現在でもこれと言った治療薬等の無い、恐ろしい病気です。
(※ネズミの糞からは人にはうつりません)
キツネが人里に来る最大の理由として考えられているのは「キツネへのエサやり」です。
彼らも生きるのに必死ですので、エサがもらえると分かれば人間に近づいてきます。そして、次第に人馴れしてしまいます。
そうすると、キツネから人間にエキノコックスがうつる可能性がグンと上がってしまう訳です。
悪影響が起こるのは人間だけではありません。
エサを貰うようになったキツネたちは、人を恐れず、車を恐れず、交通事故等に遭う可能性も上がります。
また、今キタキツネの間で爆発的に流行している「疥癬(かいせん)」と言う皮膚病があります。
目に見えないような小さなダニの仲間の感染で起こる病気ですが、これは人間が上げたエサに含まれる食品添加物等の影響でアレルギーを起こし、皮膚の抵抗力が弱ることも感染の一因では無いかとも考えられています。
無闇に「可愛がっている」つもりで上げたエサがキツネの生涯を狂わせることになりかねないと言う事です。
野生動物はあくまで野生動物。
適正な距離を保って、決して互いの領分を侵さずに本当の意味での共生をしていきたいものです。
※本当なら、あまり近付いたり、キャーキャー声を上げたり、写真を撮ったりするのも、人馴れの原因となるので良くありません。
こちらは一応、通りすがりに車窓からパシャリと撮ったつもりの写真であることをお断りさせていただきます。